

年間300例を超える心臓大血管手術を含む、500例以上の心臓血管手術を行う、関西有数の規模を誇ります。

心臓血管センターとして活動しており、循環器科・小児心臓科との緊密なチームワークで、24時間、どのような高度の心臓血管手術でも総合的に迅速な施行可能です。
乳幼児、小児から成人、超高齢者まで、すべての心臓血管病に対してオールラウンドで良質な手術を施行しています。

重症患者や他施設では手術困難といわれるような場合でも、誰もが心臓外科手術の恩恵を受けれるように日々研鑽をつみ、献身しています。
そして患者様の身体により負担が少なく(低侵襲)、一日でも早く社会復帰しやすいように配慮して治療を行っています。

心臓血管外科とは、心臓および、大動脈、動脈、静脈に関連した疾患の外科治療を行う診療科目です。

狭心症:心臓を形作る筋肉(心筋)への血液を供給する3本の血管(冠状動脈)に高度の狭窄が生じると
その灌流域の心筋に血液の不足した状態が生じます。
冠動脈バイパス(CABG)によって、血流不足を解消しますが、体外循環を用いて行うCABG(CCABG)か、
心拍動下CABG(OPCAB)を適宜選択して、最良の結果を得られるようにしています。
体外循環を用いる場合には、独創的な低侵襲体外循環装置(LIX)を開発して、
患者の身体の負担軽減を図っています。

心筋梗塞の合併症:冠状動脈の閉塞によって心筋が壊死した状態を心筋梗塞といいます。
心筋の壊死によって、いろいろな合併症が生じます。
左室形成術
心不全に陥ると心臓の形は歪になり、拡大して更に働きを低下させます。
心臓を小さくするとともに、形を本来のものに近づける手術(左室形成術)により、心不全を軽減できます。
近畿大学では1996年、佐賀(現 教授)が日本で初めてバチスタ手術に成功(右記参照)して以来、
このような左室形成手術に多くの経験を持っています。
最近では拡張型心筋症にはこの方法はあまり用いられませんが、心筋梗塞後の心不全治療によく用いられています。
左室は血液を全身に送り出す、心臓のポンプとしての働きの最も重要な部分です。
心筋梗塞で動きが悪くなり、歪になった左心室を小さくするだけでなく、形を本来の形に格好よくすることが大切です。
近畿大学での手術例です。左が手術前の左室の形。
ぼってりと拡大しています。右が手術後。ひきしまって、格好よくなったのがよくわかります。



心臓には(1)大動脈弁、(2)僧帽弁、(3)肺動脈弁、(4)三尖弁の4か所の弁があり、
血液の循環を円滑にコントロールしています。
(1)、(2)の弁の機能に支障が生じた場合に手術が必要になりますが、
最近は(4)に対しても積極的な形成術が行われています。
人工弁への置換手術では、機械弁か生体弁を適宜選択します。
僧帽弁閉鎖不全ではほとんどの例で自分の弁を繕う「僧帽弁形成術」を行っています。
大動脈弁狭窄症では、高齢者が多く、手術を避けたほうが有利な場合、
「カテーテルを用いた大動脈弁形成術(PTAV)」を行います。
MICS(低侵襲心臓手術):右胸部小切開による弁膜症手術
従来の心臓手術(写真左)では胸の正面を縦に約20cmの長さで切開して手術をする必要がありましたが、
手術の種類によっては、特殊な方法を用いて、10cm未満の切開で心臓手術を行える場合があります(写真右)。
手術後の回復も早く、正面からはほとんど傷がわからない、などのメリットがあります。



“大動脈瘤”とは、大動脈が異常に拡大した状態をいいます。
大動脈の部位によって太さ(瘤径)に基づいて治療方針が決定されます。
胸部では5cm以上、腹部では4cm以上を目処としています。
“大動脈解離”とは、大動脈を形成する三層の壁は二層にはがれた状態をいいます。
解離の部位によって治療方針が異なります。
心臓の基部に近い場合、破裂の可能性が大きく、緊急手術が必要です。
近畿大学ではステントグラフトによる治療に取り組んでいます。
ステントグラフト術指導医を有する関西有数のステントグラフト施行施設です。
大動脈に対するステントグラフト治療
大動脈瘤や大動脈解離に対して、ステントグラフトという新しい治療が急速に発展しています。
近畿大学では多くの患者さんにステントグラフト治療を行っていますが、ステントグラフトにも不利なことがあります。
患者さん個々の条件に応じて、従来の人工血管置換かステントグラフトかを選択して、
最善の結果が得られるようにしています。
近畿大学医学部附属病院心臓血管外科での施行例を示します。
ステントグラフト治療は当初は腹部大動脈に行われていましたが、現在では胸部大動脈にも行われています。
胸部、胸腹部大動脈は脳や内臓に重要な血管を出していますので、
付け替えるためのdebranchという手術を追加して行います。


閉塞性動脈硬化症:バイパス術とカテーテルによる血管形成術(PTA)を適宜選択または組み合わせることで
最良の結果を得るようにしています。
下肢静脈瘤:下肢静脈瘤手術や静脈瘤硬化療法を行っています。現在、レーザー治療の導入を計画しています。

小児心臓手術では日本有数の歴史と伝統を誇る施設です。
新生児期、乳児期早期に手術を要する重症例、複雑な心奇形に対する修復手術を得意としています。

心拍数が著しく少なくなると心不全や脳虚血を生じ、生命に重大な結果をもたらすことがあります。
そのような場合にはペースメーカーの植え込みが必要です。
心拍同期療法(CRT):心臓の機能が著しく低下した場合、心臓の各部分の収縮のタイミングが悪くなり、
心不全がさらに悪化します。特殊なペースメーカーを用いて、心臓の収縮のタイミングを効率よくすることで
心不全を軽減することができます。
心室同期療法
心不全になると、心臓の鼓動のタイミングにズレが生じ、そのために効率が一段と悪くなり、
心不全がさらに重症化します。
特殊なペースメーカーを用いて鼓動のタイミングのズレを矯正することで心臓の働きの効率を良くし、
心不全を軽減することができます。


心臓病の最終過程は心不全です。心不全の末期には、薬物での治療が限界になります。
このような場合には人工心臓による心臓の補助が必要になります。
近畿大学心臓血管外科では補助人工心臓を常備していて、どのような場合にも迅速に装着できる体制を整えています。
また、植え込み型人工心臓の認定施設となるように準備を進めています。

